【不妊症の治療方法】

女性側に不妊症の原因が挙げられる場合

不妊症の原因として挙げられる主な問題は以下のとおりです。

排卵機能の障害（排卵障害）

女性の不妊症で、最も多い原因になっているのが排卵障害です。

排卵障害は、ホルモンバランスの異常やストレス、多嚢胞性卵巣（たのうほうせいらんそう＝卵巣の表面に小さな嚢胞が無数にでき、卵巣の膜が硬くなり、卵子が飛び出せなくなる症状）などの卵巣障害によるものと考えられます。

排卵障害は、やせすぎ、太りすぎや早期の閉経によることもあります。
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排卵障害の場合は、主に排卵誘発剤（ホルモン剤）を用いた治療が行われます。

ホルモンの分泌異常が生じることによって、排卵が正常に起こらないでいる状態なので、 排卵誘発剤（クロミッドやスパクロミン等がよく知られていると思います。）を使って無排卵月経を改善し、毎月排卵を起こさせるのです。

私が服用した「スパクロミン」という排卵誘発剤は、生理5日目から5日間服用するもので、服用中はひどい頭痛がありました。
担当の医師の説明によると、この排卵誘発剤は、卵巣と脳下垂体、視床下部に刺激を与えるので頭痛が起こる、とのことです。
しかしこの頭痛は、薬の辞典で調べてみると0.1〜0.5％未満で起こる副作用なので、一般的にはあまり起こらない副作用のようです。

排卵誘発剤の主な副作用は卵巣腫大です。
ひどい生理痛のような腹痛が、排卵期にありましたが、排卵をしてしまうと痛みも自然と治まりました。

漢方薬で 温経湯（うんけいとう） と言うものがあり、最近の研究で、排卵を促す効果があることがわかってきました。
排卵誘発剤（ホルモン剤）との併用も可能とのこと。
月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけのある方にもよい漢方薬です。

▼温経湯（うんけいとう）を検討 

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卵管障害（卵管閉塞）

卵管障害の場合は、内視鏡を用いた手術で治療をします。

卵管障害は、卵管が詰まっている状態で、たとえ排卵をしていても受精することができません。
卵管障害は、子宮内膜症や性感染症などの炎症により、卵管の癒着が起こることが原因です。

卵管障害（卵管閉塞）の場合、ＩＶＦと呼ばれる体外受精による不妊症治療も行われますが、費用もかかるので、患者の金銭的な負担も問題になっているのが現状です。

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着床障害

着床障害は、受精できても受精卵が子宮内膜に着床できない障害をいいます。
主に子宮筋腫や子宮内膜炎、子宮の形態異常などが原因となっていて、原因別に治療がされていきます。

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無排卵

排卵が起こっていない状態のことを言います。

無排卵である場合も、排卵障害と同じくホルモン剤での治療が行われますが、最終的な不妊症治療は、ドナーからの卵子提供になります。

しかし、現在日本の法律では、卵子提供は認められていません。
また、代理母出産も認められておらず、違法になります。

海外では、ドナーからの卵子提供や代理母出産が認められている国もありますが、それらか以外の国へ行き、卵子の提供を受けて日本へ帰国後、出産というケースも違法となってしまいます。

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男性に不妊症の原因が挙げられる場合

インポテンスと言われる、性交ができない場合、そして射精しない射精障害が挙げられます。

射精ができていても、妊娠させられない場合もあり、この主な原因として「精子減少症」、「精子無力症」、「停留睾丸」、「流行性耳下腺炎」、「精策静脈瘤」、「逆流性射精」などがあります。

精子の数が少ない場合の治療法として、ホルモン治療や手術、人工授精（ＡＩＨ）、体外受精（ＩＶＦ）、卵細胞質内精子注入法（ＩＣＳＩ＝顕微授精のひとつです）などが行われます。

また、ドナー受精も可能です。
卵子のドナーからの提供は、日本の法律では認められていませんが、ドナー受精は日本の法律でも可能とされています。

無精子症

無精子症とは、精子がまったくない状態をいいますが、無精子症であることはまれです。

無精子症の原因を調べるためには、生検（せいけん）と言われる、組織のサンプルを採取して行う顕微鏡検査をします。

無精子症の原因として挙げられるのは、外傷性の損傷、病気、精巣の停留、性ホルモン（テストステロン等）の低下などで精子を作ることができない状態です。
成人した男性がおたふくかぜにかかると精巣炎をよく併発します。精巣炎で、精子の生産能力が一生失われてしまうこともあるので、注意しなければいけません。

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乏精子症（ぼうせいししょう）

無精子症よりは一般的な男性の不妊症原因です。

乏精子症は、精液１ｍｌ中に存在する精子の数が2,000万個以下で、精子の運動能力が低い場合や、精子に奇形が多い場合を言います。
正常な精子の数は、精液1ｍｌ中に1億1,000万個とされています。

性病などによって、精子の奇形が多くなり、男性不妊症の原因となることもあります。

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病気などの発熱により、精巣を包んでいる陰嚢（いんのう）の温度が高くなりすぎると、精子の数が減少したり、精子の運動能力の低下、精子の奇形の増加へつながります。
健康な精子を作るために最適な精巣の温度は33.6度と言われています。
男性の体外に精巣がぶら下がっているのは、このためです。

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逆行性射精

普通精液はペニスから放出されますが、逆行性射精はペニスではなく、膀胱（ぼうこう）に射出してしまう状態を言います。

糖尿病の人や、前立腺・骨盤手術を受けた人に良く見られる症状です。

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停留精巣

片方、または両方の精巣が、生まれつき陰嚢内にない状態のことを言います。
精巣は、腹腔（ふっこう）から陰嚢内に降りてきているのが正常です。

しかし、大抵は生まれてから1年くらいまでに自然に精巣が陰嚢に降りてきて、この症状は解消されます。
精巣が自然に降りてこなかった場合は、ほとんどが５歳くらいまでに矯正手術を行っています。

停留精巣のままでいると、捻転（精巣が痛みを伴ってねじれてしまう）や精巣腫瘍の原因になることがあるからです。

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先天性不妊症

遺伝や発育段階での影響で性機能不全になるものをいいます。

性機能不全は、脳下垂体と呼ばれるホルモンを分泌する脳の一部の損傷によるものや精巣のトラブルが原因です。

両側無精巣症は、約２万人に１人のごくまれな病気ですが、この症状の男性には生殖能力がありません。
生まれた時は精巣がある、と考えられていますが、成長するにつれて精巣が再び、体内に吸収されてしまうそうです。

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不妊症とは？

そもそも不妊症とはどのような状態を言うのでしょうか。

不妊症とは、男女のカップルが子供を望んで努力しているのにもかかわらず、２年以上妊娠しないことを言います。

不妊症の原因
性病

不妊症の原因にはさまざまな原因が挙げられますが、その中の一つに性病があります。

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性病の中でもクラミジア感染症は自覚症状が出にくく、知らない間に感染し、知らない間に他人へ感染させてしまいます。

治療をしないで放置しておくと、不妊症の原因になる可能性や出産時の母子感染の可能性もあります。

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授かる 不妊治療と子どもをもつこと
堤 治 坂崎 千春